読み方
ひにく
皮肉の意味
皮肉とは、
① 皮と肉。また、転じてからだのこと。
② 骨や髄まで達しない所。また、転じてうわべだけのこと。
③ 意地悪く、遠回しに相手を非難すること。
④ 予想や期待に反し、思い通りにいかず違う結果になること。
一般的によく使われるのは、
「意地悪く、遠回しに相手を非難すること」
「予想や期待に反し、思い通りにいかず違う結果になること。」
の2つです。
前者の皮肉の例をひとつあげます。
「仕事の早さだけは認めたいけどな」といった場合、直接仕事の内容の出来を非難するのではなく、仕事の早さは評価したうえで間接的に嫌味を言っています。
このように、直接的ではなく遠回しに非難したり嫌味をいうことを皮肉といいます。
また「皮肉な笑いを浮かべる」のように、言葉ではなく意地悪な様子を表すこともあります。
次に後者の例ですが、
「皮肉なめぐりあわせ」「皮肉にも傘を持参したら晴れた」のように、期待や予想に反して思い通りにいかなかったことを嘆くときに用います。
皮肉を含む言葉
・皮肉る
一見すると若者言葉のようですが、辞書にも正式に載っている言葉です。
これは皮肉を動詞化した言葉で、「音楽で政治を皮肉る」のように、皮肉な言動をとることを意味します。
・皮肉屋
何かとよく皮肉を言う人。皮肉が好きな人のことです。
語源・由来
元仏教語の「皮肉骨髄(ひにくこつずい)」が語源です。
皮肉骨髄とは「我が皮を得たり」「我が肉を得たり」「我が骨を得たり」「我が髄を得たり」と、修行を評価する際に使われた言葉です。
それぞれが評価の段階を表していて「皮=表面だけ理解」「肉=意味を理解」「骨=考え方を理解」「髄=根本から理解」という意味があります。
よって、皮肉は修行の評価が低いことから、「うわべだけ」や「本質のない」さまを表したり、誰かを馬鹿にしたり非難することを意味するようになったのです。
使い方(用例)
・帰り際にわざわざ皮肉を言いにくる上司。
・彼はいつも皮肉な口調なので嫌われている。
・そんなに辛辣に皮肉らなくてもいいじゃない。
・大手企業が倒産なんて世の中皮肉なもんだ…
・海外で元カレと会うなんて運命の皮肉だわ。